札幌市では、繰り返し使用可能な「リターナブルびん」の回収に力を入れています。主なポイントは以下の通りです:

  • リターナブルびんは洗浄・殺菌後、再使用される環境配慮型容器
  • 4つの回収方法(販売店返却・地域回収・拠点持ち込み等)
  • 対象外のびんは通常の資源ごみとは異なる処理が必要
  • 市内に12か所の専用回収拠点を設置
  • 2025年3月時点で8事業者が回収に協力

専門用語解説

リターナブル(リユース)びん

繰り返し使用することを前提に設計された強化ガラス製の容器。一般的なワンウェイびん(1回限り使用)に比べ、製造時のCO2排出量を約80%削減できます。

3R促進協議会

ガラスびんの「リデュース(削減)・リユース(再利用)・リサイクル(再生)」を推進する業界団体。持続可能な容器利用のガイドラインを策定しています。

回収方法の詳細

方法1:販売店返却

  • 酒類販売店など購入店舗で引き取り
  • 事前確認が必要(対応状況は店舗により異なる)
  • 主な対象:日本酒一升びん・ビールびん

方法2:集団資源回収

  • 地域の町内会やPTAが実施
  • 回収業者により対象品目が異なる
  • 主な対象:表1掲載の特定リターナブルびん

方法3:専用回収拠点

  • 12か所の指定場所で受付
  • 事前連絡が必要な拠点あり(下表参照)
  • 対象:リターナブルびん全般

方法4:地区リサイクルセンター

  • 各区のセンターで受け入れ
  • 受付時間:平日8:30~16:30
  • 対象:リターナブルびん全般

主な回収拠点一覧

事業者名所在地特徴
古山商店中央区大通東9丁目土日祝対応可
リンテイク北区北20条東1丁目新規参入事業者
札幌市リサイクルプラザ西区宮の沢ちえりあ併設施設
マルヤマ札幌紙業豊平区美園11条夜間受付可能

※完全リストは公式サイトで確認

注意事項

  1. 混入禁止:通常の資源ごみ収集に出さない(破砕処理され再利用不可に)
  2. 洗浄必須:内部の液体残渣・異物を完全除去
  3. ラベル処理:紙ラベルは剥がす・直接印刷は不可
  4. 破損品:ひび割れのあるびんは受け付け不可
  5. 事業所排出:飲食店等の業務用は産業廃棄物扱い

リターナブルびんの環境効果

エネルギー比較

処理方法エネルギー消費量(MJ/kg)CO2排出量(kg)
リユース2.10.3
リサイクル6.81.2
新品製造9.51.8

※環境省「容器包装リサイクル白書(2024年版)」より

知って得する雑学

びんの寿命比較

  • リターナブルびん:平均50回再利用(約10年使用可能)
  • ワンウェイびん:1回使用後破砕
  • ビールびんの場合:全国平均28回再利用(札幌市は34回)

歴史的エピソード

1960年代まで牛乳びんは100回以上再利用され、学校給食で「びんの返却率99%」を達成した記録があります。

驚きの再利用事例

  • 日本酒びん→イタリアのオリーブオイル容器
  • ビールびん→デンマークの建築資材(光を通す壁材)
  • 一升びん→タイの寺院の装飾品

よくある質問

海外製のワインびんは回収可能?

日本国内で再利用システムのある商品に限ります。輸入品は要確認。

キャップや栓はどうする?

金属製キャップは「燃やせないごみ」、コルク栓は「燃やせるごみ」へ分別。

記念品のびんは?

ロゴ入りでも再利用可能。ただし特殊形状は不可。

持続可能な選択を

リターナブルびんの利用は、江戸時代から続く日本の「びん返却文化」の現代的継承です。札幌市の回収拠点を活用し、環境配慮型消費を実践しましょう。