札幌市では、引越しや遺品整理などで一時的に大量のごみが発生した場合、特別な処理方法が必要です。通常のごみ収集では対応できない量のごみを適切に処理する方法を、分かりやすく解説します。
多量ごみの定義と基本ルール
多量ごみとは、家庭から一時的に発生する400リットル(40L袋10袋分)を超えるごみを指します。この量を超える場合、以下の3つの方法から選択する必要があります。
3つの処理方法比較表
方法 | 対象ごみ | 費用 | 申込先 |
---|---|---|---|
市施設搬入 | 可燃/不燃/粗大ごみ | 200円/10kg | 各清掃事務所 |
地区リサイクルセンター | 資源物(紙類/古着等) | 無料 | 直接持込 |
環境事業公社 | 400L超の混合ごみ | 要見積 | 011-219-5353 |
方法別詳細解説
1. 市施設への自己搬入(有料)
対象品目:
- 燃やせるごみ(家具・衣類)
- 燃やせないごみ(金属製品)
- 粗大ごみ(1辺2m以内)
手続き:
- ごみを分別(指定袋不使用)
- 最寄りの清掃工場へ搬入
- 重量計測後手数料支払い
注意点:
- 駒岡清掃工場は2025年3月10日~5月25日まで改修休業
- リチウム電池は必ず除去
2. 地区リサイクルセンター(無料)
主な受入品:
- 新聞・雑誌・段ボール(ひもで十字縛り)
- 古着(洗濯済み・透明袋入り)
- 小型家電(スマホ・デジカメなど)
活用例:
中央区「ちえりあ」では、月100トン以上の紙類を回収。この量はA4用紙2億枚分に相当します。
3. 環境事業公社の特別収集(有料)
特徴:
- 3トントラック1台分(約2.5畳)から対応
- 相場:25,000円~(地域・量による)
- 当日収集可能(要事前予約)
禁止事項:
無許可業者の利用は「廃棄物処理法違反」となり、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科せられます。
知っておくべき重要ポイント
家電4品目の特別扱い
テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンは「家電リサイクル法」対象品です。
- 処分費用:冷蔵庫4,950円~
- 手続き:リサイクル券の購入必須
- 違反罰則:最大50万円の過料
賃貸住宅の残置ごみ
退去後のごみは「事業ごみ」扱い。家主が処理する場合:
- 産業廃棄物許可業者へ依頼
- 相場:軽トラ1台分で15,000円~
歴史から学ぶごみ処理
1970年代、札幌では不法投棄が社会問題化。豊平川流域で年間300トン以上のごみが投棄され、1982年に「ごみ戦争」と呼ばれる大規模清掃作戦が実施されました。現在の厳格なルールはこれらの経験から生まれています。
驚きのリサイクル事例
- 古雑誌→牛舎の敷料(市内牧場10か所で採用)
- 衣類→自動車防音材(日産札幌工場で活用)
- プラスチック→公園ベンチ(大通公園の80%が再生材)
よくある質問
Q. 祖母の仏壇を処分したい
A. 木材部分は粗大ごみ(2,000円)、金属装飾は不燃ごみ(200円/10kg)。宗教用具は寺院に供養を相談。
Q. 引越しで生ごみが大量に出る
A. 冷凍保存後、週2回の収集日に分散排出。1日10kgまでが目安。
Q. 戦前の箪笥の処分方法
A. 文化財的価値がある場合、市立博物館(011-511-2141)に鑑定依頼を。
札幌市の多量ごみ処理は、単なる「捨てる」行為ではなく「資源循環」への参加です。適切な処分が、職人の安全と街の美観を守ります。面倒な手続きも、未来の環境を考える大切な一歩と捉えてみてください。
問い合わせ先
札幌市環境局:011-211-2879
環境事業公社:011-219-5353
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